明日 風になろう

地味で真面目で、時々おいしそうだなあって思われたいブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠く青い空と白いボール

昨日、勤務先の店に出勤したら同僚が長期休暇明けで5日ぶりに出勤していた。
うちの会社は年間20日の長期休暇を取得できるのだけど、まとめて20日はなかなか取れないので、数日に小分けして年に数回のミニバカンスを取る人が多いのだが、彼もその休みを取っていたのだ。

5日ぶりの彼はなんと真っ黒に日焼けして、まるで別の人みたいだった。
聞くと2泊3日で沖縄に行っていたとのこと。
梅雨真っ只中の沖縄だけど、6月の頭はずっと天気がよく、気温も30度を軽く越える毎日で、まさに一足早い真夏を満喫してきたということだった。

僕は過去に沖縄へは4度訪れたことがある。
でも自分のお金を使って行ったことは実は一度もなくて、全て仕事での訪問だった。そう考えるとなかなかいい会社にいたのだなあと今更ながら思う。

最後に彼の地を訪れて、もうすぐ10年近い年月が過ぎようとしている。
ずっと「また行きたい」と思いながら、あれこれあって果たせずにきてしまっていたのだ。

最初に沖縄の地を踏んだのはもう15年近くも昔の11月だったと思う。
11月でも沖縄はまだ夏の名残を残していて、昼間は25度以上まで気温が上がりセミも鳴いている。
といっても関東あたりでお馴染みのアブラゼミやミンミンゼミではなくて、名も知らぬまるで金属音のような声で鳴くセミだ。

初めての訪れた沖縄は那覇ではなく、恩納村周辺だったのだが、有名なリゾート地できれいな海が広がる代わりにホテル周辺には文字通り何もなく、僕は仕事の合間にブラブラと近所を散歩していた。

サンゴが果てしなく散らばる海岸を歩くのにも飽きて、陸の方へ足を向けるとすぐにサトウキビ畑が広がっていた。びっくりしたが本当にサトウキビ畑というのは「ざわわ、ざわわ」という音がするのだ。遠くの林だか山だかから例の金属音のセミの声が聞こえて来る中、「ざわわ、ざわわ」と風に身を任せて揺れている果てしないサトウキビ畑で、都会では感じることができない静けさを味わった。

ブラブラと歩くサトウキビ畑では誰一人すれ違う人もなく、歩き続けた先に住宅地が見えてきた。
あとで調べてみると万座の方まで歩いていたのだけど、その時はまったく土地勘もなく、ただ止まってしまったような時間に身を任せてゆっくりと移動していたのだ。

住宅地が視界に入ってきた頃から、とぎれとぎれに人の声が聞こえてきた。
なんだろうと思いながら歩いていると、やがて目の前に学校らしき建物が現れた。そしてその学校の前にはグランドが広がり、そこで子どもたちが少年野球をしていた。さっきから聞こえていた声は、野球をする子どもたちと、応援する親たちの声だったのだ。

その日はたぶん日曜日で、子どもたちのチームはどこか近隣のチームと練習試合をしていたらしい。
ちょうどその頃、僕も息子が地元の野球チームに入っていたので、自然と親近感を覚えてネット裏に腰を下ろして子どもたちのプレーを観戦した。

1塁側に陣取るホームチーム(だろう多分)は鮮やかな青のユニホームで、忘れてしまったがなかなかカッコいいチーム名だった気がする。対する3塁側の敵チームは、なぜだか知らないがみんなバラバラのジャージを着ていて、色も揃っていない。ユニホームじゃないのだ。

チームはないけど野球好きな男の子たちが集まって、とりあえず試合をしに来たんだ、みたいなカンジで、でもやはり日頃から練習しているホームチームのプレーには全くかなわなくて、どんどん点差が広がっていく。
でも子どもたちは一所懸命だし、どちらのチームの親たちも楽しそうに応援していて、よそ者の僕も遠い沖縄の地でとても楽しい風景に出会えたような気がしたのを覚えている。

都合4回、沖縄を訪れたのだけど、一番心に残っているのは今もあのサトウキビ畑の静けさとセミの声、そして子どもたちの野球の試合だ。あの子達ももう大人になっているのかと思うと、自分の歳を改めて感じてしまうが、もうそれだけの時間が過ぎてしまったということだ。

真っ黒に日焼けして帰ってきた同僚を見ながら、あの遠い日の11月の真っ青な空と、子どもたちが必死で追いかける白いボールがありありとまぶたによみがえってくるのを感じた。
やっぱりまた行ってみたいなあ、沖縄。

0f35e86eae1136432b98c45841461933_s.jpg


日々の出来事 ブログランキングへ

スポンサーサイト

該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。