明日 風になろう

地味で真面目で、時々おいしそうだなあって思われたいブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

お客さま、それはちょっと。

今日、外回りから帰って事務所に入ると、珍しくお客さんがいた。
課長の席のそばに座って、資料を手に何やら説明してる。
事務のおばちゃん女性に「だれ?」と聞くと、「○○ジャパンの人よ」と求人広告媒体の社名を教えてくれた。

なるほど。
新しく人を採用するので、求人メディアの営業を呼んだらしい。
営業マンは30代半ばの地味なスーツを着た男性で、真冬にもかかわらず汗をかいているらしく、シワシワのハンカチを手に課長と話をして「そおですよねえ」とこちらまで聞こえるくらいの大きな声で相槌をうっている。

何を隠そう、僕もかつては求人メディアの営業だった時期がある。というか最初に就職した会社が求人媒体を発行する会社だった。そこで毎日何十件もの企業やらお店やらに飛び込んでは、自社の求人媒体への広告の出稿をセールスしていた。

そんなことを思い出しながら今日の仕事の報告書を作っていると、課長の「なんで?いいじゃない、そのくらい書いたって」という声が聞こえてきた。続いて汗かき営業マンの「いやあ、すいません。それ書けないんですよお」という対応。
何をもめてるんだと目を向けた僕に、事務のおばちゃん女性が「また無理を押し付けてるわ」と眉をひそめて言ってくる。

「何なの?」と僕。
「広告って書いちゃいけない言葉があるらしいんだけど、いつもそれを書け書けって言って困らせてるのよ」と事務のおばちゃん女性。
「何を書けって言ってるの?」と僕。
「知らないけど業界で一番働きやすい会社だとか、そういうことを書かせたいみたいよ。」と事務の女性おばちゃん。あ、反対だ。おばちゃん女性。

なるほど。
うちの課長はどうも面倒くさい担当者のようで、書いちゃいけない言葉を広告に載っけろと駄々をこねているらしい。

広告というのは当然だが表現できる内容に制限が設けられている。ウソはもちろんダメだし、誤解を招くような表現もNGだ。僕がかつて勤めていた会社でも、広告表現には厳しい自主規制があって、顧客にそれを説明するのが大変だった。

たとえば課長が言っているような「業界一」とかナンバーワンを伝える言葉を使用するには「TOP証明」を出してもらう必要があった。「一番」とアピールするのならそれが本当であることを客観的に証明できる資料を出してもらわないと、その表現は使えなかった。実際には一番でないのに求職者に良く見えるようにウソを掲載する会社は少なくないのだ。

「業界で最も昨年成長した」みたいな表現のために、第三者から出た企業成長率のデータをもらって掲載基準を通したことは何度もある。ちなみにうちの課長が言っているような「業界一働きやすい」みたいな証明しようがない表現はまず載せられない。もし広告にそういうコメントが載っていたら、のっけから疑ったほうがいい。

人事の担当者というのは少しでも広告で反響が出るように、メディアの営業にはいろんなことを求めてくる。前記のような表現の仕方での要望は当然してくるが、厄介なのはコピーに口出しをしてくる担当者だ。

広告のコピーというのは会社にもよるが、それなりに経験を積んだ制作担当者(コピーライター)によってもっとも効果的と思われる言葉を選んで作られる。
でもこれほど素人にわかりづらいものはなくて、企業の人事担当も、初めのうちはおとなしくこちらが出すコピーを受け入れるのだけど、だんだんと慣れてくるとそのコピーに対してももの言いをつけるようになってくる。

「なんかさあ、ありきたりで刺さってこないんだよねえ」
「もっとこう、グワンとアピールしてくるエネルギーが欲しいよ」

「グワンとアピール」ってなんだよと思うのだが、もちろんそんなことは言わない。
広告とは実体のない商品で、かつその割に高額なので、価格に対する納得感を得るのが大変なのだ。営業はいかにしてクライアントの利益(広告効果)を最大化するためにあらゆることを考えているかを具体的に示していかないと、解決策の見えない課題を抱えることになる。

例えば前記のようなことを言われてしまうと、そのあとは担当者が納得するまで何十本もコピーを作って持っていったりという非生産的な仕事に陥ってしまう。力のある営業はもっと別の次元で顧客の納得を得るように仕事をする。

汗かきの営業マンはどうやって説明したのか、課長の無理難題をどうにかかわして次回の広告の内容を決めることに成功したらしい。

次の広告がどんな風な内容になっているのか、ちょっと楽しみだ。

785c6c250a8f60c8281ab0f5637b4b27_s.jpg


日々の出来事 ブログランキングへ

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://kazemakase2013.blog.fc2.com/tb.php/336-b94bed18
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。