明日 風になろう

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1400年のチカラ♫

週末に富山に帰った際、寝泊まりした座敷に何やら巻物が置いてあった。
巻物といっても忍術が書いてあるような小ちゃなものではなく、最近あまり見ない大きな模造紙に何やら書いたのを丸めたものだ。

なんだろうと開いてみると、そこには「こきりこ」の歌詞が書いてあった。

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「こきりこ」とは合掌造りで知られる富山の世界遺産、五箇山に伝わる民謡だ。
その歌詞が模造紙いっぱいに書かれている。何に使ったのか親に聞けばわかるのだが、長い説明を聞くのもまた面倒なので、放っておくことにした。

子供の頃、「こきりこ節」は「越中おわら節」と共に盆踊りの時には必ず流れていた民謡だ。2本の竹の棒を両手で打ち鳴らしたり、「ささら」という竹やヒノキで作った楽器的なものをシャンシャン鳴らしながら踊るのだが、これがなかなか難しくて覚えるのに苦労した記憶がある。今ではもうすっかり忘れてしまった。

↓ささら
sasararara.jpg

僕も知らなかったのだが、「こきりこ」は日本でも一番古い民謡らしく、その起源はなんと大化の改新の頃(1400年くらい昔。飛鳥時代じゃないか)と言われる。五穀豊穣を願い、百姓の労をねぎらうために田楽法師と呼ばれる当時の歌手たちが田植えや稲刈りの際に歌い踊ったらしい。
いわば古代のEXILEだったわけですね。
なんとも物悲しいメロディで、子供の頃には、遠い国で故郷を思いながら歌われた唄のような印象をずっと持っていた。

千年以上の永きに渡り歌い継がれてきた「こきりこ」だが、一時は伝承者が途切れてしまいそうになったことがある。それは昭和のはじめ頃のことで、ルーツである五箇山にさえ歌い手が見つからなくなってしまった。人里離れた山里でひっそりと滅びていってしまいそうだった古謡を救ったのは、詩人の西条八十だったという。

そう、「Mama.Do you remember♪」の「人間の証明」で一躍有名になったあの西条八十さんです。彼は「こきりこ」を探しにはるばる五箇山を訪れ、最後に残った伝承者だった「山崎しい」さんを見つけ出し、この民謡を世に出したのです。
この意外な有名人のおかげで「こきりこ」は世界から消え去ってしまう運命を免れたというわけですね。

ちなみに五箇山は現在は富山県南砺市という市にあるのだけど、僕らが子供の頃はその辺り一帯は「利賀(とが)村」や「平(たいら)村」「上平(かみたいら)村」という地名だった。学校の授業でも、「利賀村周辺で古くから合掌造りとともに伝わる田楽」という風に教わったと思う。
そんな事もあって、今では再編されてなくなってしまった村の名の方が、個人的には馴染みがあります。

深い雪に閉ざされた山あいの旧い村に静かに流れる「こきりこ」は、富山で生まれ育った者であれば誰でも、魂に染みついた文字通りのソウルミュージックです。
実家の模造紙に書かれた「こきりこ」の歌詞を見て、40年近い過去にクラスのみんなで歌ったことをうっすらと思い出しつつ、1400年もの間歌い継がれてきた歴史を思い、なんというか身の引き締まるような気持ちになりました。

音楽の力というのはホントにすごい。

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